2017年3月27日月曜日

観てきました〜1『夕日峠第16診療所のニセ医者と患者ども』

《観劇感想文》 


 以下の文章は感想文です。私が観劇した芝居の記憶を、働きの悪い脳みそに刻むために書きます。ですから、

「馬鹿言っちゃイケないよ」

 という姿勢でお読みください。なお、写真が添えてありますが、無理を言って関係諸般からいただいたものです。くれぐれもお取り扱いにはご注意ください。

@あさひサンライズホール 第338回自主企画事業 
体験版 芝居で遊びましょ Vol.14

夕日峠第十六診療所のニセ医者と患者ども


作・演出 中島淳彦(劇団道学先生)


3月11日(土)15:00〜 80分(だいたいです)

ご無沙汰でした、サンライズホール


 「おお、この匂いダヨ」

入館した途端、ヤラレました。
 何にかっていうと「匂い」にです。何度も嗅ぎました、この匂い。始まろうとする舞台への期待感とともにこの匂いはありました。あの頃と同じ、非日常への入り口の匂いです。

 あさひサンライズホールが通い始めて20年(ホールができて23年)。仕事の都合でここ十数年ほどご無沙汰しておりました。きっと変わっちまっただろうなぁ、って道中勝手に想像していました。
 ところがビックリ、古びた匂いなどみじんもありません。昔のまんま。ウレシかった。
 日常から離れていく後ろめたさと、胸躍る期待感、そんな矛盾をかかえた心にとって、この匂いは、今も魅惑的だったのです。

 こいつはスタッフの丁寧な仕事の賜です。よっぽど手入れを丹念に行わないとこうはいかない。ここを訪れる、多様な種類の演者の方々は、全国各地の会館を熟知なさっているでしょう。かれらにはきっとすぐさま察知したはずです。

「ここで下手なことはできない」と。

透ける装置に期待度倍増

座席に着くと、暗転幕を透かして僅かに舞台装置が見える。かなり大がかりらしい。上下の袖近くにあばら屋風の荷物が配置されている。「舞台美術工房 ドット・ライン」さんのお仕事ですよね。こいつがまた期待感を煽ってくれる。透けて見えるわずかなシルエットを頼りに緞帳開けを想像するも、ま、無理です。早く直に見たい!
思わせぶりな照明が入ってます。誰だって、想像しますよね。

しっかりとした装置の芝居が好きです。人間は、物との距離感の中で生きている。だから、緻密に計算された舞台装置は、世界を掴みやすい。

 懐かしい音色の1ベル、本ベルが鳴る。ベルトというよりチャイムか。暗転幕が上がった。

「傑作間違いないし!」


と確信しました。

圧倒的な演出力にアウト・オブ・コントロール

 「演出の力ってすごい」

って、舞台が終わるまでずっと感じていました。これがプロの仕事か。
 次から次へと、一瞬たりとも躊躇うことのない芝居。パンフにあった「アングラファンタジー音楽劇コメディ」に納得した次第。多彩なアイディア、表現方法が、フルコースで運ばれてくるんです。
「こんな風にもできるんだぁ」

頭の中は芝居の間中、書き換えられっぱなしで、目まぐるしい頻度で上書きされる。仕舞いには、元がなんだか分からなくなりそうでした。これが


〜 快 感!〜

アングラ・・・だぁ。

 楽しくって仕方がなかった、といいたい所なんですが、一つ告白すると、途中まで誤解していたんです。恥ずかしい。
 
 「ドナルド・トランポリン」という製薬会社名が出たので、てっきりTPPよりも強力なNAFTA等で暗躍する米国製薬会社を批判的に描いていく作品かな?って・・・。
 ちゃんとパンフの「アングラファンタジー音楽劇コメディ」は読んでいたのに・・・。

無念なり!
でも、愉しんだぁ〜。
迫力満点でした、おキツネ様
 関係者のみなさまに感謝申しあげます。

1 件のコメント:

  1. お越しいただきありがとうございました。相変わらずのアマチュア演劇ですが、ここでしか楽しめない作りを毎回考えています。今回は初めての音楽劇。こんな芝居もアリかなと。プロの仕事は面白い。辿り着けない目標をあっさりと示してくれます。一歩でもそれに近づくことが叶うなら本望です。いろいろとあった稽古を忘れるように本番が進みました。芝居を創ることの苦しさと楽しさを感じられた日々でした。

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