2017年10月16日月曜日

いやー、参りました『ウラシマリンク』に。

劇団ソライロのみなさんに感謝します。

最高でした。


なぜなら、ということを、ダラダラと書きます。
ダラダラですので、「嫌だ」という方は読まないでください。


私にとっての良い本とよい芝居


良い本とはどんな本か?
 普遍的な良い本のことは私にはとても言えない。あくまで私にとってだ。

 私にとって最良の本は、何を言っているのかわからない本だ。ただし、こいつはとてつもなく凄い内容の本だということだけはわかる。難解で何を言いたいのかは、今の私には理解不能であるが、こいつを理解できる能力をいつか獲得したい。そういう欲望を喚起してくれる本がいい。一読で理解できる本は、即、ゴミ箱行きだ。

 芝居も同じだ。エンターテイメントに徹した芝居も悪くはないが、観劇した後に余韻が残らないものは快感を得た記憶しか残さない。少々寂しい。
 観ているときに何が言いたいのかさっぱり掴めないのだが、目の前の芝居から眼が離せない。釘付けになってしまう。そういう芝居を求めている。
 えてして、こういう芝居は理解を超えているがゆえに、観劇後に反芻する機会が多くなる。その最たるものが、串田和美と亡き緒形拳の『ゴドーを待ちながら』だ。数ヶ月間、頭から離れずに難儀した。


久しぶりのMy 傑作作品


さて、前置きが長くなったが、今回のソライロの『ウラシマリンク』は、上記の『ゴドーを待ちながら』以来の「私の心を離さない」、世界最大の文学賞級の作品となった。
 観たのは14日土曜日、ずっと考えている。夢にまで出てくる。(こいつは迷惑だ
 
 正直の言う。観ているときはよくわからなかった。「声帯のつよい役者が多いなぁ」なんて、あらぬ事も考えていた。終演したとき隣の人に「あそこはどういうこと?」と質問したくらいだ。

 だからといって退屈していたワケじゃない。引きつけられる。ワカンナイのに。こういう矛盾した複雑怪奇な芝居や書物が好きだ。

 きっと私は「わかりやすい」が嫌いなのだ。わかりやすいは、「悪」だとも考えている。世の中そんな単純じゃないよ・・・。人のことを単純に決めつけるなよ。
 
 ・・・・・私のことはどうでもいい・・・・・。


と、良いながらも私の妄想です


ここから先の文章は、私の妄想だ。作者の意図はわからない。また、みなさんが『ウラシマリンク』をどう受け取ったかもわからない。自分がどう受け取ったかも理解できていない。ただ、かなりな頻度でこの作品のことを考えた。それが少しずつ形を為してきた。 
 それを書きます。

 もしあなたの考えと真っ向から対立することがあったら、ゴメンナサイです。
 同様に、作者と劇団ソライロの皆さまからみて、「何言ってやがる。ワカッチャないなー」ということがきっとあるということも、

 あらかじめお断りしておきます。


私の『ウラシマリンク』物語


人は自分なりの理解をするときに、勝手に物語を作ります。私も自分なりの「ウラシマリンク」物語を作りました。



 『ウラシマリンク』最大の功績は、宮島ススムの「後悔」を擬人化したことにある。人間は動く物だ。だから、時間・場所・人格を持つ。ポイントは「時間」だ。こいつが厄介だ。

 「時間」とは?と聞かれると、はたと返答に窮する。「今何時?」と聞いて欲しい。それなら答えられる。
 わかっちゃいないのだ。すこしも。本当は「今何時?」も怪しいのだ。だって、相手が聞いてきたときの「今」は、答えるときには既に過去になってしまっている。それでも平然と「ちょうど九時だよ」なんて答えたりする。
 今は面倒だ。もしこのことに疑問をお持ちの方がいらっしゃるのなら、国語辞典で「今」を引いてみてください。けっこう知らない意味があったりします。

今にこだわるの?


私たちは今を生きている。その「今を大事にしよう」なんてよく言う。「そんなの常識」なんですね。誰も疑わない。

 きっと宮島ススム氏もそう考えた。今を生きるために彼は過去を意図的に自分の都合のいいように変えてしまった。そこはユートピアだ。すべて自分が気分良く過ごせるように改変したのだから。「竜宮城」である。しかし現実世界に戻ると過去の後悔は、やはり忌まわしい過去である。だから、かれは過去を切り捨てる。

 ここに一つの問題が生まれる。
 「過去は変えられないけれど、未来は変えられる」という言葉がある。正しい。
 「過去は変えられない」のです。でも「変わっていく」ものなのです。自然と過去は変化していきます。でないと、私なんぞは恥ずかしくてとてもじゃないが生きていられない。けっこう自分の都合のいいように過去はいつの間にか変化した状態で記憶しています。意図的に変えようとなんか誰もしていない。でもいつの間にか変化している。

 ところが、宮島ススム氏はそれを意図的に変えてしまった。さらに悪いことにその後悔を切り捨てた。捨てたということは、過去の後悔の固定化です。もう変化できない。

 トラウマ化してしまいました。

それを何度も繰り返しました。

 そして「塔」が出来上がります。


 積もり積もったトラウマが「塔」を形成します。ゴレンジャーですね。
 舞台中央にキューブが絶妙なバランスで立っていました。しかも、五人のキャラクターの登場に会わせて色が変化してました。凝ってましたね。
 
 見終わって暫くしてから、やっと気づきました。みなさんはそんなことはないのでしょう。私はゴレンジャー系のTVをほとんど見ていません。だから鈍いのです。(言い訳です)

 私がすぐに思い浮かんだのは「五輪塔」でした。

上から、

空、風,火、水、地

言い換えると、

南、無、阿弥、陀、仏

でもあります。

 これらは宇宙の構成要素、この世はこれらの五つから成り立っている。つまりこの世のすべてでもあるわけです。ですからここで宮島ススム氏は思う存分世界を形成できたのですね。

竜宮城が可能だったのは、


 各色のキャラクターは、宮島ススム氏が自分の理想とする状況に合致するように創り上げることができました。そこに宇宙の一切が存在していたからなのです。

 「塔」として立っている、自立しているということは、垂直方向に重心が重なっているということでもあります。ですからこの塔は、宮島ススム氏そのものでもあるのです。危ういバランスで立っている。とっても危険な状況です。

さらば、トラウマ


 彼は、その塔を外部から眺めていました。
 しかし、かれはその塔の内部に入り込むことを決断します。アウロウのために。これが可能になったのは、「後悔」を擬人化しておいたからですね。宮島ススムの内面を語り出したら芝居と言えないでしょう。

 入ってみて彼は、すべてが自分の為したことだと気づきます。自分から切り捨てて、バラバラだったものが、リンクを取り戻したのです。

 宮島ススム氏は、トラウマから脱出しました。


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 この辺にしておきます。いっぱい考えたので切りがありません。
 説明不足のところもあります。正直書き足りない。
 最初にお断りしましたが、上記の文章はあくまで私の「妄想」です。

 ご批判もありましょうが、見逃してやってください。

謝 辞

 ツマラナイ妄想ですが、私にとっては貴重な思考です。考える機会を与えてくれた『ウラシマリンク』と劇団ソライロのみなさん、作者の隅田健太郎氏に感謝申しあげます。


トムトムキロル『猫と針』フライヤーです。

フライヤーと紹介文です。予約しなくっちゃ!



 トムトムキロルのフライヤーと三上和世さんから紹介文ををいただきました。Upするのがすっかり遅くなったことをお詫び申しあげます。

 言い訳すると、10月10日に情報をいただいたのですが、その日の朝、私のPCが昇天してしまいました。ハードディスクの崩壊でした。ピクリとも動きません。
 夕方新しい機械を購入したのですが、今日まで元の状態に戻すのに掛かってしまいました。かなりカスタマイズしていますので、時間が掛かったのです。サポートセンターさまさまでした。


前回の記事に飛びます

 さて、フライヤーです。



紹介文です

「猫と針」   作・恩田陸

人は、そこに居ない人の話をする。。。

高校時代の同窓生だった男女5人。友人に頼まれて映画のエキストラとして集まる。が、偶然にも同級生の友人の葬儀と日程が重なる。集まったメンバーは友人を弔いつつ、興味本位の憶測と、噂話と、思い出話に遡る。。。


久しぶりの本公演は、トムトムキロルにしては珍しいパターンの芝居です。
ラブ要素、薄いです。サスペンス要素が入ってるような入ってないような。そして、もやっとするかもしれません(笑)

年齢の高いチーム結成なんですけど、なんでこんなにセリフ多い脚本にしてしまったのか、焦っております(笑)
頑張りますので、宜しくお願い致します!

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 あらかじめこの作品について知っておきたい人は、下記のリンクからアマゾンに飛んでください。


チケットの予約は、
090−8273−1239  三上さんの携帯

micka-kazuyo@ezweb.ne.jp    Eメール




2017年10月9日月曜日

市民劇場 10月例会は、東京芸術座『蟹工船』

『蟹工船』です





 お馴染みの蟹工船小林多喜二です。最近はこれをストレートにやるよりは、母であるセツ(三浦綾子『母』)を通して観ることの方が多くなってきた気がしています
あ、
申しわけありません、
気がしただけです。
正確なところはわかりません。

でも、

「ブラック」
ですよね。
要は。

でも、状況が過酷です。北洋の海の船の中です。




そう、

逃げようがないのです。
連絡は無線だけ。
気軽に使えない。

そこで、どうするか?

現在の、ブラック企業、ブラックバイトの比ではありません。
でも、行き着く先は「死」かもしれない、という意味では同じです。

今を考えるためにも、観ておいた方がいいかもしれないです。


この時代のように、あからさまではない分、現在の
ブラックは
質が悪いとも言えるのではないか?

悪質であるというブラックと
覆い隠されて見えないブラック。


ウーッム。


トムトムキロル 次回公演は 恩田陸の「猫と針」

 恩田陸です。

 まあ、恩田陸と言えば、『蜜蜂と遠雷』を思い起こしてしまうのですが、三上和世三によると、さまざまな傾向を持った作家なので、比較しない方がよろしいのでは?ということでした。


恩田陸 「猫と針


     28(土)①1530分~ 1930分~

     29(日)③13時~ 16時~

*席数に限りがあるので、予約がオススメです

     料金 前売り1500円(当日1800円)

キャスト

みうら沙絵

菅原慧実

杉尾勇人

川守田政博

熊谷まり


演 出
三上和世


問い合わせ
090-8273-1239(三上)



なお、チラシ等はまだのようです。解禁されたらすぐこのブログにも載せます。


閑話休題、

さて、今回の芝居のように、以前上演されたことがあるものだったり、
あるいは、
原作が小説で脚色したもの
(たしか、キャラメルボックスだったかな?)
あるいは、
脚本の手直しして潤色したもの
だったりする場合、
みなさんは元になったものを読んだり、観たりしますか?

悩ましいです。

個人的に私は、読まないし、観ません。
もともと芝居のビデオ、DVDは観ません。
だって、
かなり面白くないんですもの。
がっかりすることが多い。

では、読む方もどうしてしないのか。

それは、芝居の価値基準を勝手に決めたからです。
それは、
ツベコベ言うな!

「もう一度、観たいか」

です。
先入観なく芝居を観て、ま、次はいいか、

となるか、


もう一回観たい!

となるか
です。

でも、本当は再度観たいのに、どうしても都合がつかないこともあります。

残念💦

ソライロから、いただいちゃいました。「マグネット」

ソライロ「ウラシマリンク」の

チケット&マグネット

チケットを購入しました。
これが、現物です。
名刺サイズです
「ウラシマリンク」のチケットは名刺と同じ大きさなので、収納するのが楽です。ただ、入れるところを間違うと、探すのがたいへんかもしれません。手帳型の携帯ケースだと丁度いいかもしれません。

そうこうしているうちに、
ソライロからお手紙が届きました。なにやら、一部分盛り上がっています。
開けてみると、なんと!

4㎝×4㎝の大きさです。

前作の、「スッポンドール」のアンケートに
記入した住所に送られているとのこと。
もちろん、

「ウラシマリンク」

宣伝なのでしょうが、
☆ウレシイ☆

ぜひ、見に行きましょう!!!



3夜連続公演!!超訳「薔薇戦争」ヘンリー六世

『ヘンリー六世 パート1・2・3』を

3夜連続で楽しむ。

———チョイと粋な生活になりそうです———

お馴染み、楠美津香さんの超訳シェークスピアです。

ここまで来ると、一つの「型」といってもいいのではないでしょうか。
初めての時は、
戸惑いました。
今は
定型の持つ
快さにまで
なっています。

今や寅さん映画も新作が出なくなり、
現代のもので、「型」を持ったものは、
まったく
見なくなりました。

三つ
すべて見るのがベストでしょうが、
ひとつ
一つ
でも
楽しめるはずです。

チケットは
川谷大道具 0166-63-362
まちなかぶんか小屋 0166ー23ー2801


10月は忙しくなります。ハイ!

10月の演劇公演予定


① 楠美津香 「ヘンリー六世

12日(水)〜13日(金) 三夜連続!!! 18:30〜
 @まちなかぶんか小屋

② ソライロ 「ウラシマリンク

12日(水)20:00〜 公開ゲネ
 13日(金)20:00〜
 14日(土)13:00〜
      18:00〜
 15日(日)13:00〜
      17:00〜
 @練庵 (旭川市2.3仲9丁目山口ビル2F)

③ 東京芸術座 「蟹工船」 旭川市民劇場

25日(水)18:30〜
 26日(木)13:30〜
 @公会堂

④ トムトムキロル 「猫と針」(恩田陸 作)

28日(土)15:30〜
      19:30〜
 29日(日)13:00〜
      16:00〜
 @練庵 (旭川市2.3仲9丁目山口ビル2F)

数もさることながら、バラエティーに富んでいますね。